WHAT THE PROMPT ALREADY SAID
論考 · 約9分
長いお題には、短く答える?——お題と回答の文字数を一緒に考える
短い答えが一言で届くのは、その前にお題がたくさんの仕事をしているからかもしれません。お題と回答の文字数を別々に評価せず、二つを合わせたとき、何がすでに伝わり、何を足す必要があるのかを見ます。
答えの短さは、お題から借りられる
次の二つのお題に、同じ答えを置いてみます。
| お題 | 回答 |
|---|---|
| 変な校内放送。何と言った? | 「明日から、校長は抽選です」 |
| 毎朝、係をくじ引きで決める学校。ついに職員室から流れた放送とは? | 「明日から、校長は抽選です」 |
短いお題では、校長を抽選で決めるという制度のおかしさを、回答が持ち込みます。長いお題では、くじ引きが学校の日常として先に置かれています。回答は、その対象が校長にまで広がったところを見せます。
同じ回答でも、読者がたどる道は違います。長いお題のほうが必ず面白いわけではありません。くじ引きを先に伝えることで、展開が予想しやすくなる面もあります。
ここで見たいのは、「短い回答だけが全部を伝えた」とは限らないことです。お題が人物、場面、規則を用意しているなら、回答は残りの一部分を置くだけで成立し得ます。
お題・回答例はすべて創作です。文字数と面白さの関係を測定した結果ではありません。
お題を長くする、二つの方法
お題の文字数が増える理由は、一つではありません。同じ場面をわかりやすく説明し直す場合も、新しい条件を加える場合もあります。
A変な校内放送。何と言った?
Bある学校で、いつもと違う変な校内放送が流れました。どんなことを言ったでしょうか?
C毎朝、係をくじ引きで決める学校。ついに職員室から流れた放送とは?
BはAより長いですが、回答に使える状況は大きく変わっていません。Cは「係をくじ引きで決める」という材料を加えています。
そのため、BとCをともに「長いお題」とまとめても、回答へ与える影響が同じとは考えにくい。数える前に、増えた言葉が何をしているかを確認します。
同様に、短いお題でも、専門用語を一語含むだけで前提が大きくなることがあります。文字が少ないことと、すぐ理解できることも同じではありません。
長いお題への短答が、説明の重複を減らすとき
先ほどの長いお題に、次のように答えたらどうでしょうか。
説明を含んだ回答案
毎朝、学校の係をくじ引きで決めていますが、明日からは校長も抽選で選ぶことになりました。
文の前半は、お題をもう一度説明しています。回答が出る直前までお題が見えているなら、「明日から、校長は抽選です」でも必要な関係をつかめるかもしれません。
ただし、回答だけを抜き出して紹介する場面なら、前半が助けになります。同じ文章を削るかどうかも、お題が一緒に読めるかで変わります。
「長いお題だから短くする」という判断の中には、こうした重複の整理が含まれています。お題が長いこと自体への罰として回答を削る必要はありません。
長いお題に、長く答えたくなる理由もある
お題に細かい設定があると、それを回収するために回答が長くなる場合もあります。複数の人物の関係を見せる、会話を一往復させる、指定された経緯をひっくり返す。こうした答えは、短い一言に置き換えると別の発想になってしまうかもしれません。
回答案
「校長に当選した二年三組の田中くんは、給食を食べてから校長室へ来てください。くじの交換はできません」
この回答は、抽選という制度だけでなく、子どもが校長になっても学校が通常運転を続ける様子を描いています。末尾には、本人が嫌がっているかもしれない余地もあります。
短い案と長い案では、見せたいものが違います。字数だけを比べて「同じ内容を長く言った」と扱う前に、増えた場面に価値があるかを読みます。
二つの文字数を足しても、まだ足りない
お題が担った説明まで見るなら、お題と回答の合計文字数を数えたくなります。合計は文章量の目安になりますが、それだけで読む負担や笑いを表せるわけではありません。
お題を一度読んで十個の回答を見る場合、お題の説明は共有されています。回答ごとに別画面で読む場合は、読み返す必要があるかもしれません。写真のお題なら、文字数に入らない情報もあります。
したがって、「合計何文字がよい」「回答はお題の何割にする」といった比率を先に決めるより、次の三つを文章の上で確認します。
| 確認すること | 編集の方向 |
|---|---|
| お題ですでにわかっていること | 回答内の繰り返しを減らせるか考える |
| 回答で初めてわかること | 今回の発想に必要なら残す |
| どちらにもなく、読者に補ってほしいこと | 本当に補えるか試読する |
一文を、お題から回答へ移してみる
練習として、場面を説明する一文を、お題に置いた版と回答に置いた版を作ります。
「係をくじ引きで決める」をお題へ移せば、全員がその制度を前提に答えることになります。回答へ戻せば、その制度を発明すること自体が、一人の回答の仕事になります。
総文字数があまり変わらなくても、遊びは変わります。前提として知らされたことは、回答で初めて明かされることと同じ驚きにはなりません。
試読では「どこで展開が読めたか」「何の説明が足りなかったか」を聞きます。短くなったかだけでなく、面白さに必要な情報を、どちらが、いつ渡しているかを見ます。お題と回答の長さは、その分担を考えたあとに現れる形の一つです。
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本記事は、お題と回答の情報の分担を考えるための論考です。最適な文字数や字数比を示すものではありません。