OIU 分析ダッシュボード

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STACKING ON, OR MOVING AWAY

実践 · 約9分

もう出ている答えに、被せる? ずらす?——回答が増えたあとの大喜利

思いついた答えに似たものが、もう出ていた。そのまま出すか、さらに重ねるか、別の方向を探すか。先行回答の数だけで決めず、「何が共有されていて、自分の答えが何を加えるか」から考えます。

似ていることと、続きを作ること

回答がたくさん出ているお題では、最初に思いつく方向が重なりやすく見えます。でも、同じ言葉を使った回答が、すべて同じ働きをしているわけではありません。

お題妙にサービスのいい魔王城。どんな城?

先行回答勇者にポイントカードを作らせる。

ここへ、三つの回答案を置いてみます。

回答案先行回答との関係
来た勇者に会員カードを配る言葉は違うが、店の会員として扱う発想が近い
帰ろうとする勇者を「今日で十個たまりますよ」と引き止めるカードの仕組みを使って、引き止め方を追加する
落とし穴に落ちると、おしぼりが出てくる城の設備へ移り、別の場面でサービスを描く

二つ目を、ここでは「被せる」案として扱います。前の答えを知っている人に、「その仕組みなら、そんなことまで起こるのか」と続きを渡す形です。三つ目は、お題との接点を残しながら、笑いの場面をずらしています。

この区別は採点表ではありません。同じ言葉をもう一度言うだけでも、その場の口調や出す人によって笑いになる場合はあります。まず、文字として何を引き継ぎ、何を新しくしたかを見分けるための整理です。

お題・回答・先行回答はすべて創作です。実際の投稿や成績を再現したものではありません。

被せるなら、「その先」が一つあるか

先行回答の特徴的な名詞だけを借りると、関係は伝わっても、新しく受け取るものが少ない場合があります。そこで、名詞を置き換える前に、出来事を一つ進めてみます。

ポイントカードの例なら、発行されたあとは、たまる、失くす、期限が切れる、家族に見つかる、といった場面を考えられます。

出来事を一つ進めた回答例

魔王討伐に向かう勇者へ、母が自分のポイントカードを渡す。

城のサービスが、勇者の家庭にまで入り込んだ形です。「ポイントカード」という言葉を再利用していますが、見えてくる人物と関係が増えています。

反対に、先行回答とほぼ同じ場面で、カードの色だけを変えた場合には、その色が何を加えるのかを確かめます。細部の違い自体が面白いこともありますが、「違う単語にした」という作業だけでは、新しい読み方が生まれたとは限りません。

被せる案を作ったら、「前の回答が作った何を使い、今回は何を見せるか」を一文にしてみる。その説明が自分でもできないときは、もう一段先を考える余地があります。

ずらすなら、お題へ戻れる手がかりを残す

「まだ誰も言っていないもの」を探すうちに、お題から遠く離れてしまうことがあります。魔王城の話なのに、珍しい地名や難しい専門用語を足しただけでは、違っていても、何がおかしいのかをつかみにくいかもしれません。

ずらすときには、同じお題の別の場所を見る方法があります。

  • 人を変える:勇者から、門番や清掃係へ。
  • 時点を変える:入城するときから、戦闘後や帰宅後へ。
  • 対象を変える:接客の言葉から、罠や備品へ。
  • 規模を変える:世界征服の大事業から、靴をそろえる動作へ。

先ほどの「落とし穴に落ちると、おしぼりが出てくる」は、罠という魔王城らしい設備に、接客の小さな動作を組み合わせています。先行回答とは違う場面ですが、お題の「サービス」は残っています。

ずらす距離を大きくすること自体が目的になると、つながりを説明する言葉も増えます。書き足している説明が、面白い情景を作っているのか、離れた発想をつなぎ止めるためだけに必要なのかを見ます。

「みんな知っているはず」は、表示のされ方で変わる

ライブで直前の回答に会場全体が反応していたなら、次の回答もその記憶を使えるかもしれません。一方、投稿型の大喜利では、回答者が読んだ順番と、投票者に見える順番が同じとは限りません。

回答が個別表示されたり、並び順が変わったりする形式では、「今日で十個たまりますよ」だけを出しても、何の十個なのか伝わらない可能性があります。そこで、単独でも入口がわかる形にできます。

単独でも入口がわかる回答例

ポイントカードを見せて、帰ろうとする勇者を引き止める魔王。

これなら先行回答を知らなくても場面を作れます。ただし、文字を足したぶん、セリフの勢いは変わります。実際の表示条件に合わせて選ぶ部分です。OIUのすべての表示場面が同じだと仮定せず、その回の回答画面・投票画面で確かめます。

また、自分が先行回答を見たことだけで、観客も覚えているとは言えません。「何件出たか」と「何が共有されたか」は、別の問いです。

二択にせず、二案を作ってから選ぶ

迷ったら、被せる案を一つ、ずらす案を一つ書きます。そして、次の三点を比べます。

  1. 1

    この回答を読む人は、前の答えを知っているか。

  2. 2

    自分の答えを受け取ると、何が一つ増えるか。

  3. 3

    お題との関係を、長い説明なしにつかめるか。

前の答えが強く共有されていて、その続きを見せられるなら、被せる案を試す理由があります。同じ発想の追加ばかりになり、自分も新しい展開を見つけられないなら、別の場所を見る理由があります。

どちらも弱いなら、その案を出さずに練り直す選択もあります。出さなかった案は、終わってから単独の回答として書き直せます。

回答が増えると、使いにくくなる発想もあれば、新しく使える前提も生まれます。残りものを探すように考えるだけでなく、いま共有されているものから何が作れるかを見てみます。

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  • 反復で何が新しくなるのかを分けて見る:「わかっているのに、また笑う——天丼とお約束のしくみ」
  • 省略や語順、場の温度の点検:「大喜利を言葉にする——削ぎ落とし・解像度・場の呼吸」

本記事の分類と選び方は、創作上の提案です。「何回答目からずらすべきか」や、得票が増える戦略を実証したものではありません。